!注意!
この『致死殺意快楽衝動シンドロォム』は
殺人のシーンなどが出てきます。
1話に1人は死んでいます
殺人・の描写などが苦手な方は読まないで下さい。
そして、この小説は
決して殺人などを推奨する物ではありません
現実とお話。キチンと区別のつく方のみお読みください
読んだ後の苦情は受け付けません。

 

 

 

 

ウタと別れたマサは
暗い道を一人で歩いていた。
ドンッ
「うわ・・・・・ってケイ?」
「え、あ・・・・・・マサ・・・」
「どうしたんだよ?補習は?」
「あ、あぁー・・・・・・・」
ケイは肩で息をしながら、空に視線をさまよわせた
そんな彼を見てマサは眉をひそめる
「抜け出して来たのか?」
「イヤ、違う、野崎が、用があるからって、早めに終わったんだよ」
「へぇ・・・・・ケイもなんかあったのか?急いで見たいだけど」
「うん、ちょっとな」
ケイはちょっと苦笑いしながら、
後ろを振り向いた
「俺、もう行くわ、じゃあなマサ」
「あぁ、またな」
マサは去って行くケイの背中を見つめながら
左手人差指の爪を親指の爪で何度も弾く
(なんだ?なんかオカシイ・・・・・・
 アイツ’俺’って言ってたし、口調もいつもと違う・・・・
 それに・・・・・・・・・・・・)
「なんだ・・・・?あのヤバイ目つき・・・・・」
彼の疑問は暗い闇にのみこまれた。
その次の日、ウタとマサの2人はリョーチから
ケイが野崎を殺し、警察から逃げたことを聞いた

 

 

「なーんか怪しいんだよな・・・・・・」
マサは部屋でポツリとつぶやく
昨日の夜と同じように、指の爪を弾いている
「ちょっと・・・・・調べるかな・・・・・」
マサは机の上に無造作に置いてある写真の中から
ケイの写真見つけだしポケットに突っ込むと
長い紺色の髪の毛を1つにくくった
(さて、何処からいくかな・・・・・・
 近場だと・・・・・・・ケイのバイト先か?)
ケイのバイト先はマサの家から15分程度の所にある
ファミリーレストランだ。
マサは店の中に入ると、
運良く見つかった店長に声をかけた
「すいません、少し良いですか?」
「なんでしょうか?」
「あの、コイツの事を聞きたいんですけど・・・・」
マサがケイの写真を見せると、
店長は’あぁ・・・’とつぶやいた
「俺、コイツのダチだったんですけど
 なんかココで変だったとかないですかね?」
「変だった・・・・・・?」
「えぇ」
「変・・・・・・良い子でしたから、そんな事は特に
 ・・・・・・あぁ、でも、金曜日は何があっても休んでましたね」
「金曜?」
マサがつぶやくのと同時に
すぐ側を通った店員が声をかけてきた
「金曜日なら、ケイいっつも喫茶店に行ってますよ」
「は・・・・?喫茶店?」
「えぇ、そこの大通りを左に行った所の」
「そうですか・・・・・・ありがとうございました」
「いえ、けど、彼が何か?」
「あぁ、いや、ちょっと・・・・・・・。
 すいません、本当にありがとうございました」
マサは2人に頭を下げると、
小走りで店を出て行き、その足で先ほど聞いた喫茶店へ向かった
「ココか・・・・『南風』・・・・・
 うちの高校と同じ名前かよ・・・・・」
マサが店内に入ると’いらっしゃいませぇ〜’と
妙に間延びした声が聞こえた
「お客サン?見た事ない顔だねぇ
 あ、いやいや、大歓迎よ、何飲む?
 っつってもコーヒーしかないけどぉ」
その人は声を上げて笑うと、
マサをカウンターの席に無理矢理座らせた
「あの、俺、客でなくって」
「んん?違うのかぁ?
 んじゃあ、これ関係?」
そう言って彼―如月陣(キサラギジン)―は
自分の右手をふった
中指にはシルバーの指輪がついている
「は?」
「んぁ?アクセサリーの加工頼みに来たんじゃねぇのかぁ?」
「あ、いえ、コイツの事聞きに来たんですけど」
「んん?」
マサがカウンターに写真をのせると
陣は器用に片方の眉を上げた
「『ツキマサ』じゃねぇの、
 コイツがどうかしたかぁ?」
「『ツキマサ』?」
「ありゃ?違うか?でも、コイツは多分『ツキマサ』だ」
「『ツキマサ』ってどんなヤツですか?」
「どんなヤツって・・・・そりゃコイツは常連だけど
 詳しい事は知らんよ、あぁっと名字は『タツキ』
 『ツキマサ』って名前は本名じゃないって言ったかなぁ〜」
「本名じゃない・・・・・って?」
「さぁ?詳しい事は知らんって言ってるだろぉ?
 あ、さっきアクセサリーの加工っつったろ?
 それ、俺の副業なんだけどもさぁ
 『ツキマサ』も頼みに来たんだよ
 ネックレスのドックタグの加工を」
陣はそう言いながら黒いエプロンについた
ネームプレートを指で弾いて可笑しそうに笑う
「そうですか、ありがとうございました・・・・・」
マサが喫茶店『南風』を出ると
人影が去って行くのをみた
(誰だ・・・・・・・・?)

家に帰ったマサは机に広げたノートを見つめた
右手には青色のシャーペンが握られている
(ツキマサ・・・・・ツキ・・・マサ・・・・・)
ノートに思い出せるほどの
’ツキ’とよむ漢字を書きなぐった
(やっぱ月か・・・・・・・?
 でも、なんで『ツキマサ』)
マサはフッとため息をつくと、
行きぬきにコンビニへ行くため、家を出た
買い物を終え、外に出ようとした所で、
彼は足を止めた
「あ、マサ・・・・・」
「ウタ」
「よかった、ちょっと話したかったんだ
 えと、ケイの・・・・事で・・・・・」
「そうか、俺も、ちょっと話したい事がある、
 えぇっと・・・・・すぐ側のトンネルの入り口で待ってる」
「うん、ちょっと待ってて」
ウタは少しほほ笑むと、片手をヒラヒラとふった
マサはそれに同じように答えると、
コンビニのすぐ側にあるトンネルの入り口に体を寄りかからせた
ポケットから、慣れたようにタバコとライターを取り出すと
ゆっくりとした動作でタバコに火をつけた
吐き出した、煙を目で追っていると、その先には見慣れた人影
「・・・・・・・ケイ?」
「こんばんわ、マサ」
ケイはニッと口を歪めるとマサに1歩づつ近づいた
「・・・・・・・・・・・・・・ツキマサ、って誰だ?
 ケイ、お前の事なのか?」
「やっぱり、陣に聞いたんだね
 俺もあの時『南風』の入り口の所に居たんだけどさ
 あぁ、そうだ、この間会った事、
 誰にも言わないでくれてありがとう
 ホントに感謝してるよ
 ほら、やっぱり、最後だろ?
 お礼はちゃんと言わなきゃさ」
「最後だと・・・・・・・?」
「そう、最後だよ・・・・・マサは俺の事を知っただろう」
「『俺の事』?」
不審そうに言うマサにケイは笑顔を深め、
マサとの距離をますます縮めた
自分の額をマサの額にコツンと合わせると
ケイは笑顔を消した
「ばいばい、『ケイ』の親友のマサ」

ドッッ

「グッ・・・・・・・・ァ・・・・・・」
マサはその場に倒れこんだ
ケイは地面に血を流しながら倒れているマサを見つめ
自分の手に握られている、血まみれのナイフを眺めた
マサが・・・・・彼が最後に見たのは
満点の星が輝く夜空と
怯えた表情のケイだった

嗚呼。
俺ガ知ッタノハ
君ガ 殺意ヲ 抱クホドノ 秘メ事


親愛なる友へ

最後まで君を疑い続けた

でも、最後に見た君の姿が

本物の君であるよう

心から願う。

進藤 雅道
 



ネクスト