!注意!
この『致死殺意快楽衝動シンドロォム』は
殺人のシーンなどが出てきます。
1話に1人は死んでいます
殺人・の描写などが苦手な方は読まないで下さい。
そして、この小説は
決して殺人などを推奨する物ではありません
現実とお話。キチンと区別のつく方のみお読みください
読んだ後の苦情は受け付けません




「リョーチも間抜けだねぇ、
 タバコ吸ってる所見つかるなんて」
赤茶の髪をした少年が
オレンジジュースを飲みながらつぶやく
「だぁって・・・・屋上は教師来ないだろ?
 見つかると思わなかったんだよ、ウタだってそうだろ?」
少し長めのしっかりと染めてある赤い髪をつまんで
「やっぱ、痛んできたな」なんて呟きながら
リョーチと呼ばれた少年、―土井遼一(ドイリョウイチ)―は言った
「今月から、週一で屋上にも見まわり行くようになったんだよ」
先ほどタバコのネタを振ったウタという少年
―石崎翔汰(イシザキショウタ)―は
ニコニコと嬉しそうに笑いながらそう言った
「知ってたのかよ!止めろよ!」
「落ちつけってリョーチ、HRで言ってたのに
 聞いてなかったお前が悪いんだろ?」
「マサも知ってたのかよぉ・・・・・・」
リョーチに恨みがましい目で見られている
マサ―進藤雅道(シンドウマサミチ)―は
乾いた笑いを零しながら、リョーチから目線を外した
「ね、俺の家だって言う事忘れないでよ?」
恐る恐るウタとリョーチの間に入るのは
この家に住んでいるケイ―愛原圭輔(アイハラケイスケ)―だ
「にしても、リョーチもいい加減
 謹慎受ける度に、ケイの所に転がりこむのやめなよね
 自宅謹慎なんだから、家に居なよ」
ケイの幼なじみでもあるウタはリョーチを
じろりと横目で睨んだ
「んじゃ、ウタの所行かせろよ」
「やーだ。ケイ、野崎の補習でしょ?
 早く行った方が良いんじゃない?
 僕らも帰るからさ」
ウタはマサの腕を掴んで立ちあがった
「んじゃあね、リョーチ」
「大人しく留守番してろよ」
「あんまり部屋、荒さないでね?」
「へいへい・・・・・っつーかケイ
 荒らすなって俺は何者だよ・・・・・・」
ブツブツ言うリョーチを無視して
3人は部屋を出て行った


自分の家を出て行ったケイは
学校への道のりを小走りで行き
数学の補習を受けていた
数学教師の野崎が先ほどから
テストを解いているケイを何かと見てくるので
彼は不審に思い、眉をひそめつつも野崎を見る
「あの・・・・なんですか?」
「今日は君なんだなと思ってね」
「え・・・・・・・?」
ケイはそれを聞き、
ますます訳がわからなくなった
元々今日の補習は成績の悪いケイのみに言い渡された
言わば特別授業なのだ。
「今日は・・・って、俺以外にも誰か補習を?」
「まさか、お前みたいなクズはこの学園に1人だけだよ
 いや・・・・・・、お前の仲間もそうかな?」
「っ・・・・・・」
ケイは手に持っていたシャーペンを
ギュッと握り締めた
「リョーチ達はクズなんかじゃない」
「そうかな?実際、あいつらはしょっちゅう謹慎を受けてる」
「でもっ」
「勉強よりも心が大事だとか言うんじゃないよなぁ?
 バカでクズのケイ君?」
「・・・・・・・貴様ッ!!」
ケイは椅子から乱暴に立ちあがり
目の前の野崎を思いっきり突き飛ばした
彼は油断していたのかそのまま後ろに転倒し・・・・・・・

ゴキッッ・・・・・

「・・・・・・・・・・・・」
ケースケはカバンを引っ掴み教室を走って出て行った
教室には、野崎が頭のみを教壇の足に預けるようにしながら
口から血を流し倒れていた、その首は異様な方向に向いている



「リョッ、リョーチ!!」
つい30分ほど前に部屋を出て行った
親友の姿にリョーチは目を丸くした
「どうしたんだよ?もう補習終わり・・・・・・な訳ないよな?」
「あ、あ・・・・・野崎・・・・・・・・」
「野崎・・・・・・?あぁ、今日数学の補習だったんだ
 んで?野崎がどうした訳?」
「こ、殺しちゃった・・・・・・・・・」
「は・・・・・・?何言ってんだよ・・・・・・・
 ケイ、冗談キツイぞ・・・・・・?」
「違う!ホントなんだ!
 俺、俺、どうしよう・・・・・
 あ、アイツが、なんか、い、色々、言ってきて、
 よ、よくわかんないけど・・・・」
ケイは顔を真っ青にしながら、
リョーチにしどろもどろに伝えた
すると、1階の階段下から、ケイを呼ぶ声が聞こえた
彼の母親の声だ・・・・・・それが聞こえると
ケイは’ヒッ’と喉を引きつらせた
「ど、どうしよう・・・・・」
「落ちつけ、取り合えず下行け、な?」
「あ、う、うん・・・・・」
ゆっくりと立ちあがると、
ケイは部屋を出ていった
(おばさん、不審に思うだろうな、
 まぁ、行かなくても不審に思われるだろうし)
リョーチは妙に冷静にそんな事を考えながら
近くのノートを手に取った。
バラバラで聞いたケイの話をまとめる為だ
(・・・・・あ?なんだこれ?)
中にはケイの几帳面な字で野崎への恨みや
殺人の計画が書かれていた
計画実行日は・・・・・・・・・今日。
「なんだ・・・・・これ」
(ケイはわざとやったって事か?)
リョーチはココになって
やっと自分の顔が青ざめて行くのを感じた
人を殺してしまったのには変わりないが
故意的にやったのと過失的にやってしまったのは
かせられる罪の重さも違うだろう。
彼は手元の日記を自分のカバンに乱暴に入れ、
ケイのいる1階へと駆け下りて行った
「ケイ!ケイ!!ちょっと出るぞ!!」
「え?ちょ、リョーチ!?」
丁度、階段を上って来ようとしていたケイの腕を掴むと、
リョーチは慌しく玄関を出て行った
「ねぇ、リョーチ、どうしたのさ!」
「警察行くんだよ、どうせ見つかるんだ
 自首した方が良いだろ?」
「え・・・・・・・・だ、って・・・・」
「殺っちまった事には変わりねぇんだ
 そうだろ・・・・?」
「う・・・・ん・・・・・・・」
リョーチはケイの腕をガッチリと掴んだまま
警察へ行って、事情を話した、
もちろんケイはその場で逮捕。
「リョーチ、じゃあね・・・・・・」
泣くまいとギュッと眉間にシワを寄せたケイは
悲しそうに笑いながら、後ろにいるリョーチを見た
彼の首元でいつもつけている、
十字架とドックタグがシャラリと音を立てた
「ん、またな・・・・・・・」
親友が逮捕されて、しかもその原因は殺人なのに、
何て淡泊な別れだろう・・・・・・・。
リョーチはぼんやりと考えながら
肩に背負っているカバンの紐に手を添えた
カバンの中には彼が書いた、
日記と言う名の殺人計画ノートがある。
彼が去ってから、これを警察に渡そう
ケイの目の前でコレ―日記―を見せるのはいけない気がする。
リョーチはケイを見送った後、踵を返して
近くの警官に、日記を渡そうとした・・・・・・が
「・・・・・・・待て!!」
ドンッ
「うぁ!?」
肩に来た衝撃に驚き、一瞬体制を崩しながらも
自分に当たってきた人物の背中を見た

黒のナイロンパーカー。

色あせたジーンズ。

肩までの金髪。

「ケ・・・・イ・・・・・・?」
先ほど別れを告げた親友。
そして・・・・・・・
「追え!逃げたぞ!!」
先ほど捕まった犯罪者・・・・・・。
「ウソだろ・・・・?逃げた?ケイが?」
リョーチはカバンの紐にあった手を
真っ白にするほど強く握った
逃げた。
にげた。
ニゲタ。


嗚呼。
彼ハ間違イナク犯罪者ナンダ。
ソレハ
君ノ 死ニ至ルホド 罪ノアル 裏切リ



親愛なる友へ

罪を犯した君が

一刻も早く

元の真っ白な君に戻りますよう

心から願う。


土井 遼一



ネクスト